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【インタビュー】丸亀製麺 末広栄二さん(元加ト吉 中の人)

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Facebookにtwitter、企業としてやった方がいいことは分かっている。でも、それをやる意味ってどれくらいあるの?リスク、高いんじゃないの?担当者って何をするの?という疑問や不安を抱えている企業担当者の方は、多いのではないでしょうか。

そこで、ツイッター界に新風を吹き込み、ツイッター部長との異名をも持つ末広栄二さんにインタビューをし、そんな疑問や不安をぶつけて来ました!

「おそれいりこだし」「おはようございま すうどん」などなど、数々の名文句を生み出した部長の登場です。


ソーシャルは黎明期。突っ走るなら今!

辞表を胸に入れて、ツイッターをされていたと聞きました。当時のことを教えていただけますか?

僕がツイッターを始めた当時は、企業アカウントはほとんどなく、フォロワー数も2,000人もいたら神だと言われていた頃。一生懸命ツイッターをやってもフォロワーが増えなくて、「500人もフォロワーがいるの?この人すごい」というときです。

辞表を持ってやっていたのは、前例がないので社内に説明のしようがなかった から。ツイッターでアクションしてるので、必ず何かは起きるわけですよ。もしそれが想定外のことなら辞めるしかないでしょう。当時は会社を代表して何かを言っているいってるふうになり、そのツイートが公式見解と捉えられていましたから。

状況は変わりましたか?

今は、ノイズがいっぱいあるんで大丈夫です。逆になに言っても目立たないし、残念ながら誰も見ちゃいない。他人のツイートなんて、意図して探さないとなかなか発見できないでしょう?
僕が始めた当時とは状況がぜんぜん違うので、今から参入を考えている方は気軽にやれますよね。

とは言うものの、リスクを考える企業の担当者も多いと思うのですが・・・。

情報っていうのはもう、会社のサーバとは関係ない外側にあって、広告主の管理下にはないんですよ。みなさんの考えるリスクっていうのは、広告主が情報を管理できた古い時代のこと。今なんてどれだけ情報を管理したって、口コミサイトなどで批判されたら終わり。管理できないでしょう。

ネットが進化していない頃は悪い情報を見つければ、「打ち消しのノイズを出しましょう」なんていうバカなことを言っていたんです。でもそんなことをするよりも、ちゃんと対応して、自分のところに取り込んじゃった方がいいでしょう。それでなんか文句言われても、きちんとお詫びすればいいと思いますし、ごめんごめんって(笑)。

というようなことを案外みんな知らない。ソーシャルの専門家というものがいないから。中間管理職も含めて、分かっていない。だから「成果は?リスクは?」という質問が出る。結果、「どっちも見えなかったら、やめとけ」ってなってしまう。
もし自分に決定権があるならば、やるかどうか迷っておらずに突っ走ったほうが賢いですよっていうのが私の持論です。

ソーシャルは畑みたいなもの。今は土作りの段階。

ツイッターのフォロワーはどのようにして増やされたのですか?

ツイッターっていうのはリアルタイムメディアなので瞬発力がある。タイムラインを見て、人のツイートにつっこんでいくので拡散の力もある。ツイッターを始めた最初の月でフォロワーが500人になって、次の月に2,000人。3ヶ月めで5,000人。毎日少しずつ増えていた頃は、それほど苦じゃなかったんですが、1ヶ月で5,000人増えたときはさすがに大変でした。

最初はフォロワーがいないわけですから、キーワード検索し20人ほどをフォローし、母集団を作っていきました。そうするとタイムラインが流れるようになるので、非公式RTを使って拡散させていくんですね。それから、メンション、公式RTとバランスを変えていくんです。そうすると今なら2,000人位は、1~2ヶ月で増えると思います。ツイート数にも比例するので一概には言えませんが。。この2,000人は、アフィリエイト系です。

その後、フォロー・フォロワーのバランスどうしても崩れるので、その場合はアフリエイト系をアンフォローすることもあります。そしてリアルに動ける人たちを増やしていく。全国津々浦々を網羅できるようにフォロワーを作っています。例えば北海道の人が足らなかったら、北海道の人に「こんにちは」って話しかけるんですよ。丸亀製麺にはフォロワーが3,500人くらいいるんですけど、日本全国にきれいに分かれています。

いろいろと言われているようですが、フォロワー数はあまり関係ありません。コミュニケーションツールですのでしっかり会話することが大切です。

そう聞くと、大変な仕事だなと思ってしまいます。ツイートしてればいいわけではないんですね。

ソーシャルは畑みたいなものだと考えています。今は土作りの段階。これから、耕して雑草をとって、種をまいていくわけです。育ってくると勝手に増殖してくるんですが、そこまでは手をかけないといけないですね。でもね、育成期間があって、組織化され、ある程度成熟したら、崩壊していく・・・。ソーシャルは必ず崩壊するんですよ。

なぜかというと、コミュニティの内容をディープにすればするほど、新しい人が入れなくなってしまう。かといって、参入障壁を低くすると、もとからいたディープなファンの人がしらけちゃう。こういう仕組みで必ず崩壊するんですよ。だから最初から崩壊することを想定してディープにしすぎないことを意識してやる。そうすると、比較的大きなコミュニティになりやすいと思います。

いきなりマニアックな話をして、楽しいからどんどんどんどんディープになっていっているものが多い。そうすると新しく来た人はわけがわからないんで、入れないのに。最初の段階から参入障壁を下げながらツイートしていくっていう工夫が必要なんです。

でも、リターンを考えるとそこまで力を入れてやるのは大変でしょう?

そんなにうまくね、「これだけやったんだから、これだけリターンがある」なんていうものは、この世の中にないんですよ。いくらになるのかなんて、ぜんぜん分からないわけ。だからとりあえず走り出してみて、どっかのタイミングで検証すればいい。だから最初のとっかかりは、えいやっで始めてみればいいと思います。

企業アカウントっていうのは即効性はないんです。あくまで投資というカテゴリーですね。だから費用対効果ではなく、費用対投資。今の売り上げにはならないけど、次のために投資をしていくと考えるんです。中小企業だったら、現金がない代わりに空いた時間をツイッターやFacebookに投資をしていくんです。ネット上にひとつのノイズとして残り、それが資産になっていくという構図なんです。

Facebookについては、どのように考えていらっしゃいますか?

なんちゃって日経新聞みたいな物だと思います。例えば、世の中に散らばっている丸亀製麺に関するURLをFacebookページにバンバン貼っていけば、そこに情報がたまってくる。そうすると、だんだんそこに記者が記事を書く感じで、みんなが投稿していくことになって、結果、みんなで「作るなんちゃって日経新聞」ができあがる。企業側もそれを見れば、何となく世の中が分かる感じです。

となると、いかに早くページを立ち上げて「いいね」をたくさん押していただいて影響力を持つかが重要です。Facebookはまだ黎明期なので、昔のツイッターと同じようにフォロワー数を見ちゃうんですね。だから今は、「いいね」を押してもらうのが重要なんです。これがある程度成熟しちゃうと、どこのページも変わんないですよ。今の「ホームページを持っているのなんて当たり前」みたいになっちゃう。いかに先頭にいるのかが重要です。

売り上げでいうと「前年対比」っていう言葉があるじゃないですか。でも、ソーシャルにはまだ前年がないんで、今は楽なんです。急になんかのきっかけでバーンと実績ができてしまうと、「去年はあれがあったよね」って言われてしまう。そうなると、超えるの大変でしょう?

Facebookページは、どのように運営されるんですか?

いくつかのページを運営していますが、僕が全て1人でやっています(修正:現在は別の担当者の方もおられるそうです)。丸亀製麺のFacebookページでは、丸亀製麺について書いてあるブログをピックアップして、URLを貼り付けたり、ツイッター等で投稿された写真を貼ったり。コメントを頂ければきちんと返事をしています。自分でも週3~4回くらいうどんを食べに行き、お腹の空く時間帯にうどんの写真を投稿しています。

今はまだみんなで使い方を探っている段階。題材を決めて写真などを投稿すると、それに合わせて皆さんからも投稿を頂けるので、ある程度テーマを決めて運営すると楽しくなってきます。もちろん企業として最終的にどうしたいかが大切ですが、みんなで作り上げるのがソーシャルではないでしょうか

ソーシャルとは地道な仕事。だからこそ、勉強を!

ソーシャルメディア担当者へメッセージをお願いします。

地道にやるしかないです。どれくらい地道にできるか。一見すると派手な仕事ですけれど、まったく逆ですね。デザイナーと一緒。デザインだけ見るとかっこいいけれど、実は休みの日でも色々見て歩き情報を収集していますよね。もちろんその他の仕事とも同様です。

今までは、営業マンが突然会社を訪問したって、誰も会ってくれなかった。名刺交換をして、さらに何回か会ってから仲良くなるのがやり方だったんだけど、今は違う。同じツイッターの仲間だねっていうので、いきなり近い距離になれる。と考えると、ソーシャル使えばいくらでもしゃべれちゃうでしょう?今まではテレアポで営業していたのに、今はツイッターで仲良くなってから「ところで僕この商売やってるんですよねー」ってやれば、楽チンじゃないですか。

ソーシャルをすると、その人が仕事のできる人かどうかが分かってしまいます。つまり、担当者のレベルまでしか成長しないよ、ということ。本を読むなどして自分のレベルを上げることが、結果として、人がついてくることになる。自分の影響力っていうのがはかれてしまうんです。そうは言っても、友達はいるわけですから普通にコミュニケーションしてゆけばキチンと結果も残ると思います。人脈も財産ですしね。

【末広栄二氏プロフィール】
加ト吉(現:テーブルマーク株式会社)在籍中に、ツイッターを開始。「加ト吉 中の人」として、ツイッター上で有名に。現在も、twitterやFacebookなどソーシャルメディア分野での活躍の場は広い。著作に「ツイッター部長のおそれいりこだし」(日経BPマーケティング)。


末広さん。お忙しい中、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました!

要注目の丸亀製麺のFacebookページはこちらから
ツイッター部長のおそれいりこだしFacebookページはこちら

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